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Ferrari 512TR Engine Overhaul Report-1

Ferrari 512TR Engine Overhaul Introduction / Revisione Motore Introduzione

Ferrari 512TR

512TRは1991年から生産が開始され、わずか数年で次期F512Mにモデルチェンジしています。テスタロッサに始まるミッドシップにV12エンジンを搭載するフェラーリはF512Mで製造を終了しました。ミッドシップはV8エンジンを搭載する360シリーズになり、V12エンジンは550マラネロのFRへと移行します。今回は短期間の製造ですが、中古車市場でも根強い人気を誇るV12エンジンをミッドシップに搭載した512TRのエンジンオーバーホールを紹介します。

現車の512TRは、現オーナーが知人より譲り受けています。入庫時に車の状態をチェックすると走行距離は6万Kmで実走距離と考えられます。一般にFerrariを中古で購入する際のアドバイスとして購入時には整備記録簿をよく確認することをお薦めします。Ferrariはその商品価値もあってメーターの距離数を修正してあることがよくみられるからです。

入庫した512TRは整備記録簿がしっかりとつけてあることもあり、信用できる走行距離だと考えられます。オーナーからの話では、知人から512TRを譲り受けた時に元々エンジンから水漏れしている箇所があると聞きました。ラジエターキャップテスターで水圧テストをかけたところ、エンジンのフロントカバーのガスケットから大量の水が漏れてきたので、とりあえずエンジンを降ろすことにして水漏れの修復を行うことにしました。エンジンを下ろす際に全ての油脂類を抜いたところ、本来オイルと水が混ざることがないのに白く濁り、あきらかに水が混入した後が確認されました。おそらく前オーナーが水漏れさせたまま走行し、エンジンの状態を悪化させたと考えられます。ここでお客様に相談し、オーバーホールをする運びとなりました。

F113D 140
■エンジン主要諸元 <F113D 140>■
タイプ 縦置きDOHC(4カムシャフト)
水平水冷対向180度V型
Flat-12
12気筒4バルブ
(計48バルブ)
搭載位置 ミッドシップ
総排気量 4942 cc
ボア×
ストローク
82 × 72mm
圧縮比 10.0:1
供給装置 ボッシュ・モトロニックM2.7
燃料タンク
容量
98 L
最高出力 425 ps / 6750 r.p.m
最大トルク 50.1 kgm / 5500 r.p.m
降ろしたエンジン
車体後部

エンジンを降ろした後の512TRです。搭載されているエンジンが巨大な12気筒、水平水冷対向180度エンジンであり、エンジンを降ろした後の車体後部は左の写真のようにスカスカになりました。

Step1. 補器類の外し

補器類取り外し後のエンジン

512TRのエンジンを最初にばらすときに取り外すのは、エンジンの頭頂部に搭載されているインテークマニホールドなどの補器類から外していきます。

Step2. タペットカバーの外し

タペットカバー取り外し後

次にタペットカバーを外します。

Step3. シリンダーヘッド外し → シリンダーブロックとミッションケースの分離

シリンダーヘッドとガスケット
シリンダーブロック
ミッションケース分離

シリンダーヘッドとガスケットをシリンダーブロックより外します。次にミッションケースとシリンダーブロックを分離します。 エンジンスタンドにシリンダーブロックを固定し、余分な樹脂類(エンジンオイル、オイルクーラント)を抜きます。

水漏れの原因について.1

フラッシングされたシリンダー径

シリンダーブロックの各シリンダーを確認しています。一箇所フラッシングされたように綺麗になったシリンダー径があり(Aバンク3番シリンダー:画像赤枠)、水が混入したことによるフラッシングされた可能性があります。

※ 上記にご紹介するのは実車整備レポートですので、実車の経年変化・既装着部品などにより、必ずしもお客様のお車と共通とは限りません。
    参考資料としてご利用下さい。

※ 上記レポートに対するお問い合わせは、個人情報保護の観点から、お答えできない部分もありますので、あらかじめご注意下さい。

※ 本レポートは月1回を目処に、APERTOでの作業をレポートという形で掲載していきます。